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本文書は、2011年10月に開催された国際会議「Second International Conference on Best Practices for Concrete Pavements」 において発表された、デルフト工科大学のLambert Houben氏による論文を、セメント協会 舗装技術専門委員会 海外調査WGが和訳した文書です。
 本文書は、2011年10月に開催された国際会議「Second International Conference on Best Practices for Concrete Pavements」 において発表された、デルフト工科大学のLambert Houben氏による論文を、セメント協会 舗装技術専門委員会 海外調査WGが和訳した文書です。

セメント協会 舗装技術専門委員会
 

1. はじめに

ヨーロッパには44の国が有り、うち27ヵ国がEUに所属している。EN規格では、コンクリート材料、舗装の表面性状、ダウエルバーやタイバー、目地材料について規定している。一方、コンクリート舗装の構造設計法や施工についてのEN規格は規定されていない。現状は、各国が独自の構造設計法を定めており、その多くが経験にもとづいて決められたものである。施工方法は、ヨーロッパにおいてはほぼ同じようなものである。

本文では、まずヨーロッパのコンクリート舗装の設計概念について概観する。そして、一例として、2ヵ国の設計手法について詳細に紹介する。一つは、経験的設計法であるドイツの普通コンクリート舗装について、もう一つは、理論的設計法であるオランダの普通コンクリート舗装と連続鉄筋コンクリート舗装について取り上げる。

さらに、コンクリート舗装の最近の施工技術を取りまとめた。また、大規模かつ複雑なプロジェクトの一例として、ベルギーのアントワープにある重交通環状道路の修繕工事を紹介する。また、ロータリーの施工、アスファルト舗装の拡幅にコンクリート舗装を用いたドイツの例や、コンクリート防護柵についても紹介する。最後に、オランダにおいて開発された興味深い技術を紹介する。プレキャストコンクリート舗装の最新技術であり、表層にポーラスコンクリートを付着させたタイプと付着させていないタイプをそろえたプレキャストコンクリート舗装である。