【Q1.】 |
強いコンクリートをつくるにはセメントをたくさん使った方がよいのでしょうか? |
【A1.】 |
砂と砂利をセメントペーストというのりで接合したものがコンクリートですが、このセメントのりの接合力が強ければ強いコンクリートになります。では、その強度ですが、コンクリート中の水とセメントの重量の割合(水セメント比)で決まり、理論的にはできるだけ少ない水の方が強いコンクリートになります。しかし、使用する上である程度の流動性も必要なため、水セメント比で50~60%を使用していることが多いです。 |
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【Q2.】 |
コンクリートは早く乾燥させたほうが強くなるのでしょうか? |
【A2.】 |
コンクリートを練り混ぜてから数時間たつと、流動性を失っていきます。この状態を凝結といい、まだ硬化は始まっていませんが、1~2日たつとコンクリートはかなり硬化が進みます。これは、セメントと水とが水和反応を始め、セメントがどんどん水を吸収しているからです。硬化の初期に何もしないで乾燥させると、水和反応が中断していしまい、ひび割れや強度が低下してしまいます。 |
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【Q3.】 |
気温がコンクリートの固まり方に影響するのでしょうか? |
【A3.】 |
セメントペーストは温度が低いと固まる早さが遅くなるため、コンクリートの硬化が遅くなります。しかし、強度の弱いコンクリートになるということではありません。一方、温度が高いと固まる早さも進みますが水分蒸発も多くなり、ひび割れが発生するようになります。コンクリートは寒いときは寒いなりの、暑いときは暑いなりの温度調節が必要になります。 |
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【Q4.】 |
コンクリート構造物は火に強いのでしょうか? |
【A4.】 |
コンクリート製のゴミ焼却炉や耐火コンクリート板が普及していて、コンクリートはかなり火や熱に強いといえます。コンクリートの厚さ、用いる骨材の種類、鉄筋量、セメント量などによって耐火性能は異なりますが、一般的なコンクリートは約400度まで加熱しても、圧縮強さに影響はないといわれています。 |
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【Q5.】 |
コンクリートは酸類に強いのでしょうか? |
【A5.】 |
酸類や硫酸塩類などで、永年にわたり徐々に侵食された、コンクリート構造物の実例がみられます。よく締め固め十分に養生したモルタルやコンクリートは丈夫ですが、モルタルやコンクリートは強アルカリ性のため、塩酸・硫酸などの酸類や硫酸マグネシウムなどの硫酸塩類には強くありません。 |
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【Q6.】 |
コンクリートにはなぜひび割れが入るのでしょうか? |
【A6.】 |
コンクリートは気温・湿度の高低によって、乾燥したり、伸びたり・縮んだりするため、これがひび割れの主な原因になります。多くのひび割れは、ひび割れ幅が0.2mm程度の収縮ひび割れであり問題にならないものです。ただ、変な箇所にひび割れが生じないように予め収縮を吸収する箇所を作っておきます。大気中にあるコンクリート構造物は気象条件にかなり影響されるので、ひび割れを完全になくすことは非常にむずかしいのです。 |
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【Q7.】 |
コンクリートの塩害とはどのようなことでしょうか? |
【A7.】 |
コンクリート中の鉄筋が塩分によって錆びることで生じる被害がコンクリートの塩害です。その原因は、コンクリートの材料の中に規定以上の塩分が取り込まれて起きるものと、海岸近くにつくられたコンクリート構造物が波しぶきなどを受けて起きるものとがあります。 |
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【Q8.】 |
コンクリートの表面に白い模様が出るのはなぜですか? |
【A8.】 |
エフロレッセンスという現象で、白い花が咲いているようにも見えるので白華(はっか)ともいいます。エフロレッセンスの成分は硫酸ソーダと炭酸カルシイウムで、これがらがモルタルやコンクリートの内部の水分と一緒に分離して表面に移動し、水分が蒸発するとそのまま表面に残って白い花を咲かせます。 |
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【Q9.】 |
コンクリートで池をつくり金魚を入れたらみんな浮いてしましました。なぜでしょうか? |
【A9.】 |
水の中にコンクリートの主成分であるカルシウムが溶け込んで、金魚に災いするからです。セメントの主成分は石灰石で、コンクリートは強アルカリ性ですから、これを取り除く一つの方法として、池にたっぷりと水を入れて1週間ほど置きます。水を替えてやり4回ほど繰り返しすことで、池の水にカルシウムが溶け出し、アルカリ性は薄まってゆきます。または、みょうばんないしみょうばんを主原料としたアク抜き剤を使用することも一方法です。 |
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【Q10.】 |
コンクリートの練混ぜ時に水量が多いとまた、加水すると固まったコンクリートに影響するのでしょうか? |
【A10.】 |
コンクリートの練混ぜ時に必要な水量は、施工に必要な水量とセメントの水和に必要な水量の総和となります。しかし、水和に必要ない余剰水は蒸発するためコンクリート中に空隙を生じさせます。従って、水量が多いまたは加水することによって、コンクリート中に空隙を生じ、中性化や塩分浸透が生じやすく、乾燥収縮も大きくなりひび割れを生じやすくなります。 |
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【Q11.】 |
コンクリート中の鉄筋が腐食する原因は何でしょうか? |
【A11.】 |
強アルカリ性(pH12~13)のコンクリート中の鉄筋は、不働態被膜が形成され防錆された状態にあります。しかし、コンクリートの中性化またはひび割れによって鉄筋のまわりのコンクリートのpHが低下すると鉄筋が腐食します。 |
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【Q12.】 |
ポップアウトとは何でしょうか? |
【A12.】 |
ポップアウトとは、主に骨材、凍結融解作用、膨張反応物質のコンクリートへの混入によって起り、コンクリート表面が円錐状に剥離する現象です。美観上の問題と鉄筋のかぶり厚さから鉄筋の腐食に影響を与える可能性があります。 |
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【Q13.】 |
コンクリートの中性化とはどんなものでしょうか? |
【A13.】 |
コンクリートは、セメントの水和によって水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が生成され、pHが12~13の強アルカリ性を示します。しかし、空気中の二酸化炭素(CO2)による化学反応から、水酸化カルシウムが炭酸カルシウム(CaCO3)に変化し、コンクリートからアルカリ性を失っていきます。これを中性化といっています。 |
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【Q14.】 |
施工直後のひび割れを防ぐ方法はどのようにすればよいのでしょうか? |
【A14.】 |
コンクリート中のブリージング水(余剰水)の上昇より、コンクリート表面からの蒸発水が大きい時に生じる場合が多いです。この場合は、施工直後にコンクリート表面が乾燥しないように、ビニールなどで覆う(コンクリート表面から多少空間を取る)ことが必要です。 |
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【Q15.】 |
圧縮強度の推定式を教えて下さい。 |
【A15.】 |
圧縮強度の推定式は以下の2式があります。ただし、推定式からの圧縮強度は概略値と考えて下さい。 |
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① σ=K(AX+B) (セメント水比と圧縮強度との関係) ここで、K:使用セメントの強度、X:セメント水比、A,B: コンクリートの材料および試験条件に関する定数 |
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② σ=A/BX (水セメント比と圧縮強度との関係) ここで、X:水セメント比、A,B:コンクリートの材料および試験条件に関する定数 |