1.舗装構造の解析に特化
本ソフトは、舗装構造の解析、特にコンクリート舗装の解析に特化しており、以下の「構造」および「荷重」条件を設定することができます。また、一般的な材料の物性値が登録されており、選択するだけで物性値を設定することができます。
・表 層 | - | 材料、材料定数、厚さと温度 |
・目 地 | - | 目地剛性、材料定数、ダウエルバー |
・境界面 | - | 付着の程度、材料定数 |
・路盤1 | - | 材料、材料定数、厚さと温度 |
・路盤2 | - | 材料、材料定数、厚さと温度 |
・路盤3 | - | 材料、材料定数、厚さと温度 |
・路 床 | - | 材料、材料定数、厚さと温度 |
・荷 重 | - | 位置、幅、荷重 |
2.GUIによる簡単な操作
本ソフトは、有限要素法の計算を行うソルバーだけではなく、要素分割を行うプリプロセッサー、計算結果をグラフィカルに表示するポストプロセッサーを含み、それらを統合して操作できるGUIからなる統合ソフトです。なお、計算結果は、任意の箇所の結果をテキストデータとして出力することもできるので、汎用の表計算ソフトに取り込んで任意の図表を作成することができます。
3.バッチ処理が可能な柔軟なプログラム
本ソフトは、MS-DOSプロンプトにおいてコマンド形式でプログラムを実行できるため、バッチ処理を行うことができます。大量のデータを処理する必要がある場合などは、バッチ処理により効率的に作業を行うことができ、様々な計算条件に柔軟に対応することができます。
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右記の「使用許諾条件」を確認し、記載内容に同意のうえ
ダウンロードボタンを押してください。ファイル(JCAPave3D.zip[4.68MB])のダウンロードが開始します。
ダウンロード
※右記の「使用許諾条件」に同意のうえご利用ください。
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使用許諾条件
一般社団法人セメント協会は、次の条件や制限のもとで、JCA Pave3Dを無償で利用することを、利用者へ承諾致します。
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無償使用の範囲
利用者がJCA Pave3Dを無償で使用できる行為には、自己のためにJCA Pave3Dを実行する行為、その実行結果を利用者の自己のために使用・公表する行為を含みます。なお、複製・改変などして頒布する行為は禁止します。
- 利用者義務
JCA Pave3Dを利用した結果を公表する場合には、以下の文献を引用するか、または、JCA Pave3Dによる計算結果であることを明記して下さい。
[引用文献]
西澤辰男:3次元FEMに基づいたコンクリート舗装構造解析パッケージの開発、舗装工学論文集 Vol. 5、pp.112-121、2000年
利用者が、ソフトウェアのバグや不具合を発見した場合、セメント協会に報告して下さい。なお、発見したバグや不具合を、許可なく公表したり第三者へ知らせることを禁止します。
- 無保証
JCA Pave3Dは無保証であり、その品質や性能あるいは実行結果について、いかなる保証もされません。利用者は、自己の責任において使用することに同意したものとします。もし、JCA Pave3Dを使用することにより損害が生じた場合には、第三者への損害や被害の修復も含み、全ての責任は利用者に帰することとします。
- 著作権
JCA Pave3Dに含まれるソフトウェアの著作権は、作製者である西澤辰男氏(石川工業高等専門学校/教授)に帰属します。
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ダウンロードしたファイルを解凍すると、以下のファイルやフォルダが作成されます。インストールなどは必要なく、プログラムはこのままの状態で動作します。必要に応じて、適切な場所にフォルダごと移動して保管してください。
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FEM_3D(.exe) |
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JCA_PAVE3D(.exe) |
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JCA_PAVE3D(.INI) |
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P3D2(.exe) |
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pre3d2(.exe) |
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例題1(.msh) |
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例題2(.out) |
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例題1(.pin) |
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例題1(.txt) |
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本ソフトを初めて起動したさいは、以下の設定を行う必要があります。一度設定すれば再設定の必要はありませんが、ソフトの保管場所を移動するなど使用環境が変更となった場合、再設定が必要となります。
1)ソフト(JCAPave3D(.exe))の起動
JCAPave3D(.exe)をダブルクリックして、図1の起動画面を表示させてください。
2)「 Option 」画面の表示
図1の画面の ボタンを押し、表示される図2の画面の ボタンを押して図3の「Option」画面を表示してください。
3)「 プログラム関係 」の設定
図3の画面に表示されている「プログラム関係」の設定を行います。「要素分割」「構造解析」および「図形表示」のプログラムについて、それぞれ ボタンを押して、「program」フォルダに保管されている下記プログラムファイル(.exe)を指定してください。
・要素分割のプログラム | - | pre3d2(.exe) |
・構造解析のプログラム | - | fem_3d(.exe) |
・図形表示のプログラム | - | p3d2(.exe) |
この設定により、JCA Pave3Dが各プログラムの保管場所を認識し、JCA Pave3Dから各プログラムを実行できるようになります。
4)「 環境変数 」の設定
マニュアルの7章に記載の「バッチ処理」を行う場合、環境変数の設定を行う必要があります。バッチ処理を行わない場合は、設定の必要はありません。
windowsの「スタート」-「コントロールパネル」-「システム」-「システムの詳細設定」から、表示される「環境変数」ボタンを押す。
図4の画面が表示され、ユーザーの環境変数に以下の設定を追加する。
・変数 | : | PATH |
・値 | : | ********\JCA_Pave3D\program
↑プログラムを保管しているフォルダを絶対パスで入力。 3)で入力したパス(図3の赤枠)をコピー・ペーストすると良い。
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設定が正常に行われれば、コマンドプロンプトにおいて「pre3d」や「fem_3d」を入力すると以下の返答が返ってくる。
以下の返答ではなく、「****として認識されていません。」と表示される場合は設定に間違いがあります。設定内容を見直してください。
[入力] pre3d | : | [返答] Check arguments for file name!! |
[入力] fem_3d | : | [返答] Usage: fem_3d input output |
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図1 起動時の画面

図2 ソフトのメイン画面

図3 「Option」の設定画面

図4 環境変数の設定画面
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まずは、プログラムを動かすことを目的に、解析条件を考えないで既入力の設定値を用いて解析を実行する例題を以下に示す。
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1)版の枚数の決定
ソフトの起動時に表示される図1で「決定」ボタンを押す。
図1の画面は「版の枚数」を決定する画面で、ここでは既入力の1枚に設定。表示される次の画面で「表示」ボタンを押すと図4のように解析モデルが表示される。
2)「境界面」の設定
「境界面」の設定で、「付着の程度」を「付着有り」を選択する(図5)。
選択すると、材料定数が自動入力される。
3)「荷重」の設定
「荷重」の設定で、版中央の10×10の領域に1kNを設定する(図6)。
(X=170、Y=170、WX=10、WY=10、P(kN)=1)
「表示」ボタンを押すと、設定した荷重の位置を確認することができる。
4)ファイルの保存
ファイルを保存する(図7)。
ここでは「マイフォルダ」に"test"で保存する。「マイフォルダ」に、test(.txt)とtest(.msh)の二つのファイルが作成される。
test(.msh)ファイルを開くことで、保存した解析条件を再度設定することができる。
test(.txt)ファイルは、要素分割プログラムの入力ファイル。
5)要素分割の実行
要素分割プログラムを実行する(図8)。
コマンドプロンプトが表示され、処理が実行される。正常に終了すると、コマンドプロンプトは閉じ、「マイフォルダ」に、test(.pin)ファイルが作成される。
test(.pin)ファイルは、構造解析プログラムの入力ファイル。
6)構造解析の実行
構造解析プログラムを実行する(図9)。
コマンドプロンプトが表示され、処理が実行される。正常に終了すると、コマンドプロンプトは閉じ、「マイフォルダ」に、test(.out)ファイルが作成される。
7)結果の表示
解析結果を図示する(図10)。
表示項目を選択して、以下のように図示することができる。
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図4 「表示」ボタンで解析モデルを表示

図5 「境界面」の設定

図6 「荷重」の設定

図7 ファイルの保存

図8 要素分割の実行

図9 構造解析の実行

図10 解析結果の表示
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具体的な解析の事例は、ソフトにも同封しているPDFファイル「有限要素法による舗装構造解析入門~例題によるJCA Pave3Dの活用法~」 に掲載しており、例えば、コンクリート舗装の解析例として「荷重応力の計算」や「温度応力の計算」を紹介している。
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例1- コンクリート舗装の解析-「荷重応力の計算」
400cm×500cm厚さ28cmのコンクリート舗装の目地縁部に大型車後軸が作用している。この時にコンクリート版に生ずる最大曲げ応力およびわたみを計算する。
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例2- コンクリート舗装の解析-「温度応力の計算」
コンクリート版の温度分布より、目地縁部の温度応力を計算する。
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