■ セメント技術大会(外部サイト)は、セメント製造及びセメント・コンクリートの材料科学に関する研究発表並びに技術交流の場として、1947年(昭和22年)以降、毎年開催し、大勢の聴講者を迎えています。
毎年5月に開催され、例年約130件の研究発表があり、3日間にわたり開催しています。研究発表の内容は、セメント化学、建築、土木分野と多岐にわたり、多数の研究者が参集し、活発な質疑応答が行われています。
写真:第2回大会の風景 |
写真:会場の風景 |
■ セメント技術大会の最大の特徴は、材料科学的議論の深さにあります。そして、いまやセメントに関する教育機関の数が減少する中、若手や関連分野を含め研究者の活動を活性化させることができる貴重な場となっています。
■ セメント技術大会の存在によって、我が国のセメント・コンクリート業界の技術の発展および研究者の育成に繋がっているとの評価も頂いており、将来的にも継続させるべき大事な公益事業であると考えています。
■ セメント技術大会の目的
セメント技術大会は、セメントおよびこれを主要な構成材料とするコンクリートを対象として、 | |
(1) | セメント化学、コンクリートの材料科学的アプローチによる研究・技術成果を発信する場とする。 |
(2) | セメント・コンクリートの実務的技術成果を発信し、意見交換する場とする。 |
(3) | セメント・コンクリートに携わる研究者の技術開発意識を高揚させ、活性化する場とする。 |
(4) | セメント製造技術をはじめとしたセメント産業の社会的役割を発信する場とする。 |
■ セメント技術大会の概要
● 特別講演
識者より、材料科学の専門性にとらわれない時期を捉えた話題提供を行っています。
● 基調講演
特定分野の第一人者に先端材料科学の紹介を行っています。
● 優秀講演者の表彰
セメント技術大会の活性化と若手研究者・技術者の研究奨励のため、35歳以下の講演者を対象に、「セメント技術大会優秀講演者表彰」を実施しております。
2002年から行っている本表彰は、@講演要旨のわかりやすさ、Aプレゼン資料の表現、B発表の方法、C時間配分の適切さ、D発表時間、E質問に対する回答の的確さ、F発表態度、G研究内容のレベルについて審査を行い、特に優秀と認められた講演者に対し授与しています。
≪第77回セメント技術大会 優秀講演者≫
審査の結果,選考対象110名の中から下表の19名を第77回セメント技術大会の優秀講演者に決定しました。
講演 番号 |
講演者 (敬称略) |
所 属 | 講演題目 |
---|---|---|---|
1101 | 栗原 諒 | 東京大学大学院 | 1H-NMR relaxometryによるT1-T2緩和相関測定を用いたセメントペーストの再吸湿挙動に関する基礎的検討 |
1110 | 石山 直知 | 新潟大学大学院 | 低圧水蒸気吸着のESW分析によるC-S-Hの微細構造および炭酸化挙動解析 |
1113 | 中川 裕太 | 太平洋セメント株式会社 | トリイソプロパノールアミンの強さ増進効果に及ぼすLSPの粉末度の影響 |
1120 | 山ア 仁資 | 近江アサノコンクリート株式会社 | トラックアジテータのドラム内の未使用生コンクリート量測定に関する研究 |
1220 | 安達 丈 | 株式会社トクヤマ | カルシウムアルミノフェライトの水和反応に及ぼすアルカノールアミンの影響 |
1221 | 伊神 竜生 | 名古屋大学 | 高湿度環境下においてセメント硬化体に多量の二酸化炭素を固定する一案 |
1309 | 青山 桃子 | 岩手大学大学院 | スケーリング抵抗性に対するコンクリート中の必要空気量の基礎的実験 |
1311 | 石川 英理香 | 芝浦工業大学 | GGBS及びγ-C2S含有のモルタルの炭酸化養生時のCO2固定量の比較検討 |
1315 | 安田 瑛紀 | 太平洋セメント株式会社 | 少量添加でASR膨張を抑制可能なガラス微粉末 |
1321 | 下河 初美 | 福岡大学大学院 | 再振動の実施がスケーリング抵抗性に与える影響 |
2305 | 本合 弘樹 | 株式会社太平洋コンサルタント | 歴史的建造物のモルタルに使用された材料およびアルカリシリカ反応の岩石学的検討 |
3101 | 中村 充志 | 太平洋セメント株式会社 | 化学吸収法によるセメント排ガスからのCO2分離・回収技術の開発 〜セメントキルン排ガス成分の影響評価〜 |
3107 | 大田 将巳 | 株式会社トクヤマ | 未利用Ca等廃棄物を利活用したCO2固定型混和材の設計開発(2) |
3114 | LE THI THIEN LY | 太平洋セメント株式会社 | 岩石粉末の諸特性とセメント混合材としての適合性に関する検討 |
3203 | 中里 光孝 | 新潟大学大学院 | 活性化処理を施したアロフェンを用いたセメント系新材料における水和生成物の評価 |
3224 | 原田 奏也 | UBE三菱セメント株式会社 | 高硫酸塩スラグセメントの水和反応と強度発現に及ぼす炭酸塩と促進剤の併用添加による効果 |
3304 | 星 健太 | 太平洋セメント株式会社 | 近赤外分光法によるモルタル硬化過程評価に関する検討 |
3306 | 向井 祐樹 | 株式会社太平洋コンサルタント | コンクリート材料に含まれるCO2固定量の定量方法の検討 |
3324 | 旭澤 広輝 | 群馬大学 | 圧縮領域を加熱したJute繊維混入型PCはりの爆裂性状および曲げ耐力評価とHPFRCCによる補修効果 |
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