製造・運搬編


Q.11 1DAY PAVEにおけるコンクリートの製造時の留意点を教え
てください。

  1DAY PAVEに用いるコンクリートに規定された材料および製造方法はありませんが、通常JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合する汎用的な材料が用いられます。同様に、材料貯蔵設備、製造設備、運搬車なども JIS A 5308の規定に準拠した設備が用いられます。

  材料の計量は精度の確認された計量器を用いて、所定の精度で行います。各材料は1バッチずつ計量します。また計量は原則として質量で行いますが、水や混和剤は容積で計量してもかまいません。

  コンクリートは均質になるまで、十分に練り混ぜます。1DAY PAVEに用いるコンクリートは水セメント比(以下、W/C)が35%程度と低く、粘性が高くなるので、練混ぜ性能に優れたミキサを用いて、適切な材料の投入順序と練混ぜ時間で十分に均一になるように練り混ぜます。

  1DAY PAVEは早期に交通開放することを主目的としているため、セメントはJIS R 5210(ポルトランドセメント)に適合した早強ポルトランドセメントを用いることを標準とします。また、1DAY PAVEに用いられるコンクリートは、通常の舗装用コンクリートと比較して相対的に低W/Cかつ流動性の高い配合とすることが多いため、化学混和剤についてはJIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に適合する高性能AE減水剤が一般に使用されます。粗骨材については、最大寸法が20mmまたは25mmのものを用いることを標準とします。粗骨材最大寸法を20mmまたは25mmとすることで、敷きならしの作業性は向上し、曲げ強度試験用供試体を100×100×400mmとすることができるため、供試体採取や強度試験の作業性が向上できます。

  コンクリートの発注にあたっては、目標とするスランプまたはスランプフロー、空気量、強度などについて、施工現場の状況および施工方法などを十分に勘案し決定することになります。また、コンクリートの品質をあらかじめ試験により確認しておくことが必要です。



Q.12 1DAY PAVEにおけるコンクリートの運搬時の留意点を教
えてください。

  1DAY PAVEに用いるコンクリートはスランプが8cm以上となるため、運搬にはダンプトラックではなく、トラックアジテータを使用します。コンクリートの運搬時間は、JIS A 5308の規定に従い、購入者との協議を行わない場合は1.5時間以内とします。また、単位セメント量が多い富配合のコンクリートであるため、運搬中にセメントの水和に伴い性状変化が大きくなりやすく、特に暑中期には、温度上昇に伴う品質の低下に十分注意する必要があります。

  人力による施工の場合は、コンクリートの打ち込みや敷きならしに時間がかかり、コンクリートの可使時間が一般的な舗装コンクリートより短いため、注意が必要です。運搬車が途切れぬよう、工事に先立って施工者と十分に協議し、施工速度に対応した運搬計画を立て、打込み当日は施工者と出荷生コンプラントが密な連絡をとることが必要です。