その他


Q.21 1DAY PAVEでは材齢1日で養生を終了しますが、コンクリ
ート版の長期的な強度特性に問題はないでしょうか?

  一般にコンクリート舗装は所定の強度が得られるまでの期間、養生が必要となります。養生期間は、現場養生を行った供試体の曲げ強度が配合強度の70%以上となるまでとするか、試験によらないで定める場合は、早強ポルトランドセメントを使用した場合は1週間、普通ポルトランドセメントを使用した場合は2週間とされています。一方、1DAY PAVEは材齢1日で養生を終了しますが、現時点でコンクリート版に早期に損傷が生じた等の問題が生じた事例は報告されていません。

  過去にセメント協会では、水中養生供試体と試験施工したコンクリート版から引き抜いたカット供試体と強度の比較を実施しております。結果、材齢1日の段階ではマスによる効果により水中養生供試体よりコンクリート版の方が曲げ強度は大きくなりますが、材齢7日の時点で逆転し、コンクリート版は材齢7日からは強度増進はほぼありませんでした。これは一般的に言われている通り、水中養生の場合は水和反応が継続し組織が緻密化するのに対し、養生を終了したコンクリート版は水和反応が緩慢になり、空隙構造の変化が小さいことが原因と考えられます。ただし、1DAY PAVEの材齢7日の曲げ強度は6〜7N/mm2程度に達することが多く、一般的な舗装構造の設計基準曲げ強度4.5 N/mm2を上回るため、一般的なコンクリート舗装と同等以上の構造性能を有していると考えられます。


・配合:水セメント比35%、単位粗骨材かさ容積0.7m3/m3、 W160kg/m3、早強セメント使用
・目標スランプ:21±1.5cm、目標空気量:4.5±1.5%
・曲げ供試体:10×10×40cm供試体


  
図22-1 供試体別曲げ強度の関係1)を基に作成

【参考文献】

1) 泉尾英文、中村弘典、瀧波勇人、吉本徹:早期交通開放型コンクリート舗装(1DAY PAVE)
の強度管理および施工ひび割れ照査の検討、セメントコンクリート論文集、71 巻 1 号
pp. 280-287、2017年