概要編


Q.1 1DAY PAVEとは何ですか?

  1DAY PAVEの正式名称は、「早期交通開放型コンクリート舗装」といい、一般社団法人セメント協会に設置された舗装技術専門委員会(委員長:小梁川東京農業大学教授)により開発されました。

  この1DAY PAVEは、以下の特長を有しています。

■養生期間を材齢1日以内に短縮(早期交通開放性が飛躍的にアップ)
■汎用的な材料を用いてコストアップを抑制
■特殊な施工方法をとらない

  このような特長を有する1DAY PAVEは、コンクリート舗装の補修工事やアスファルト舗装の打換え工事、駐車場への適用など多方面で利用していただいております。

  1DAY PAVEは、早強ポルトランドセメントを使用し、一般的な舗装用コンクリートと比較して水セメント比(以下W/C)を35%程度に低く設定することで、養生期間1日での交通開放を可能としています。施工時の外気温によっては、普通ポルトランドセメントを使用することも可能です。化学混和剤には高性能AE減水剤を使用し、スランプ12cm程度からスランプフロー40cmまでのコンシステンシーのものが用いられています。

  低W/Cであることから、一般的な舗装用コンクリートと比較してコンクリートの粘性が高く、ブリーディングがほとんどないなど、施工にあたっては1DAY PAVE特有の留意点がありますので、1DAY PAVEに関する詳細なマニュアルである「早期交通開放型コンクリート舗装1DAY PAVE製造施工マニュアル〔第2版〕」を是非ともご覧ください。URLは以下のとおりです。

https://www.jcassoc.or.jp/cement/4pdf/jk15_01.pdf

  また、1DAY PAVEは、新技術情報提供システム(NETIS)に事後評価技術として登録されています(NETIS登録番号:KT-130044-VE)。こちらも是非ともご覧ください。


 
写真1-1 1DAY PAVE第1号(太平洋セメント熊谷工場構内)


Q.2 1DAY PAVEに使用できるセメントの種類を
教えてください。

  1DAY PAVEに使用するセメントは、早期強度が重要であるため、特に冬期では早強ポルトランドセメントを推奨しています。一方、夏期など気温が高い場合などでは、普通ポルトランドセメントを用いても所要の早期強度発現が期待できる場合もあります。若材齢時のコンクリートの強度発現は養生時の温度条件に大きく影響を受けるため、施工時に想定される温度条件を考慮して、使用するセメントの種類や水セメント比(以下W/C)を設定する必要があります。

  普通ポルトランドセメントが使用された例として、「早期交通開放型コンクリート舗装1DAY PAVE製造施工マニュアル第2版」に掲載されている事例(事例8)を紹介します。普通ポルトランドセメントを使用したW/C35%の配合で、コンクリートの打込みから養生時の平均気温が31.0℃の環境条件において、材齢1日で目標とした養生終了強度3.5N/mm2以上を確保することができています。


 
写真2-1 普通ポルトランドセメントを使用した1DAY PAVEの事例
(セメント協会 研究所、東京都北区)


Q.3 1DAY PAVEが適用できる箇所を教えてください。

  1DAY PAVEは養生期間を1日に短縮しているため、コンクリート舗装の補修工事や、交差点の打換え工事等の長期にわたり交通規制を行うことが困難な箇所に適用することが可能です。耐久性に優れており、打換え、補修等で頻繁に交通規制することが困難な場所への適用が有効です。人力施工を前提とした比較的小面積の補修などに用いる目的で開発されましたが、新設の大きな面積の工事でも従来工法より優れた点があるため採用されている事例もあります。

  また、1DAY PAVEといえども養生時間を必要といたしますので、交通開放まで時間的猶予(気温等により変わりますが1日程度)が確保できるのであれば、従来の舗装が適用可能な箇所には使用することができますし、アスファルト舗装施工用の重機が運用困難な急坂であっても、1DAY PAVEは施工可能です。

  これまでの施工実績がある主な適用箇所は以下になります。


・ 国道、都道府県道、市町村道などの公道(一般部、交差点含む)
・ 高速道路 本線、パーキング及びサービスエリア駐車場
・ 重工事車両通過用の取り付け道路
・ 商業施設駐車場
・ 空港 航空機地上支援車両通行帯
・ 港湾施設 コンテナヤード、荷さばき場
・ 工場構内の大型車通行箇所及び駐車場



(a) 機械施工した事例

(b) 国道交差点の事例

(c) 空港GSE通路の事例
写真3-1 1DAY PAVEを採用した事例