セメントの原料は、「石灰石(せっかいせき)」・「ねん土」・「けい石」・「酸化鉄原料(さんかてつげんりょう)」・「せっこう」などだよ。この中でも、石灰石(せっかいせき)を使う量が一番多くて、70〜80%をしめているんだ。 これらの原料のほとんどは日本国内で手に入るんだよ。とくにたくさん使う石灰石(せっかいせき)の鉱山は、中国地方や九州地方に数多くあって国内自給率(こくないじきゅうりつ)は100%だよ。
原料をてきせつな割合(わりあい)でまぜ合せて、乾燥(かんそう)・粉砕(ふんさい)・ふるい分けをするんだ。 この工程では、原料を乾燥させた後、「原料粉砕機(ふんさいき)(ローラーミルとも言うよ)」という大きな機械(きかい)を使い、ローラーで粉になるまですりつぶし、細かい粉にならないものはふるい分けて、もう一度粉になるまでローラーでつぶすんだ。
粉になった原料に熱(ねつ)を加(くわ)えると、化学反応(かがくはんのう)をおこし、水をまぜるとかたまる性質(せいしつ)を持(も)つ素材(そざい)に変化(へんか)するんだ。 この変化したものを「クリンカ」とよぶんだよ。 この工程では、まず、くだかれた原料を予熱装置(よねつそうち)(プレヒーターともいうよ)というタワー(高さは70〜90mで25階建(かいだて)のマンションぐらい)のような装置(そうち)で加熱(かねつ)した後、「回転窯(かいてんがま)(ロータリーキルン、またはキルンともいうよ)」という、とっても太いパイプ(直径(ちょっけい) が4〜6m、長さが60〜100mの大きな 鉄(てつ)のトンネル)を横(よこ)にねかせたような装置に入れるんだけれど、なんと最高温度(さいこうおんど)は1,450度にもなるんだ。この高い温度で原料をやくと、性質が変化するんだよ。これを焼成と言うんだ。そして今度はいっきにこれをひやすと、これによって「クリンカ」ができるんだ。クリンカはセメントになる前の中間製品(ちゅうかんせいひん)だよ。 また、焼成工程では、とくにたくさんの熱エネルギーを使っているんだけれど、あたたまった熱エネルギーはセメント工場の中で有効(ゆうこう)に再利用(さいりよう)して、エネルギーをせつやくしているんだ。くわしく言うと、1,450度で焼成された原料をきゅうげきにひやす時につかった空気は高い温度になっているので、回転窯や、予熱装置や、原料の乾燥機(かんそうき)などにおくりこんで、空気の持っている熱エネルギーを有効に活用しているんだよ。