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  セメントって、どうやって作るの?
 
 

セメントってなんだろう?

 
    セメントは、コンクリートを作るための一つの材料ざいりょうで、はい色をした「こな」だよ。
  石灰石せっかいせきなどをやいてから粉にしたもので、水をまぜるとかたまる性質せいしつをもっているんだ。基本的きほんてきには、ものとものをくっつける「のり」のようなやくわりをする素材そざいだよ。

  大きく分けると「ポルトランドセメント」「混合こんごうセメント」「特殊とくしゅセメント」の3つに分けられるんだ。ふつう、きみたちがよく目にするのは「ポルトランドセメント」だよ。

  ここでは、この「ポルトランドセメント」の作りかたを説明せつめいしようね。
  ポルトランドセメントは、セメント工場で下のようなじゅん番で作るんだ。
 
 
 
 

1.原料げんりょう


  セメントの原料は、「石灰石せっかいせき」・「ねん土」・「けい石」・「酸化鉄原料さんかてつげんりょう」・「せっこう」などだよ。この中でも、石灰石せっかいせきを使う量が一番多くて、70〜80%をしめているんだ。
これらの原料のほとんどは日本国内で手に入るんだよ。とくにたくさん使う石灰石せっかいせきの鉱山は、中国地方や九州地方に数多くあって国内自給率こくないじきゅうりつは100%だよ。


 

石灰石
※「せっこう」は「仕上げ工程しあげこうてい」でまぜあわせる材料ざいりょうです。
 
 

2.原料粉砕げんりょうふんさい

 
  原料粉砕機

  原料をてきせつな割合わりあいでまぜ合せて、乾燥かんそう粉砕ふんさい・ふるい分けをするんだ。

  この工程では、原料を乾燥させた後、「原料粉砕機ふんさいき(ローラーミルとも言うよ)」という大きな機械きかいを使い、ローラーで粉になるまですりつぶし、細かい粉にならないものはふるい分けて、もう一度粉になるまでローラーでつぶすんだ。

 
 

3.焼成しょうせい

 

  粉になった原料にねつくわえると、化学反応かがくはんのうをおこし、水をまぜるとかたまる性質せいしつ素材そざい変化へんかするんだ。
  この変化したものを「クリンカ」とよぶんだよ。

  この工程では、まず、くだかれた原料を予熱装置よねつそうち(プレヒーターともいうよ)というタワー(高さは70〜90mで25階建かいだてのマンションぐらい)のような装置そうち加熱かねつした後、「回転窯かいてんがま(ロータリーキルン、またはキルンともいうよ)」という、とっても太いパイプ(直径ちょっけい が4〜6m、長さが60〜100mの大きな てつのトンネル)をよこにねかせたような装置に入れるんだけれど、なんと最高温度さいこうおんどは1,450度にもなるんだ。この高い温度で原料をやくと、性質が変化するんだよ。これを焼成と言うんだ。そして今度はいっきにこれをひやすと、これによって「クリンカ」ができるんだ。クリンカはセメントになる前の中間製品ちゅうかんせいひんだよ。

  また、焼成工程では、とくにたくさんの熱エネルギーを使っているんだけれど、あたたまった熱エネルギーはセメント工場の中で有効ゆうこう再利用さいりようして、エネルギーをせつやくしているんだ。くわしく言うと、1,450度で焼成された原料をきゅうげきにひやす時につかった空気は高い温度になっているので、回転窯や、予熱装置や、原料の乾燥機かんそうきなどにおくりこんで、空気の持っている熱エネルギーを有効に活用しているんだよ。

  
   
回転窯   1,450度もの高い温度で   クリンカ
 
 

4.仕上しあげ

  最後さいごに、できあがったクリンカを仕上げ粉砕機でこなごなにくだいて、セメントのかたくなるはやさを調整ちょうせいする「せっこう」をくわえて、「セメント」ができあがるんだ。
  混合こんごうセメントを作る時には、そのほかに高炉こうろスラグ[製鉄所せいてつじょてつを作るときに出る副産物ふくさんぶつ]や、フライアッシュ[火力発電所はつでんしょ石炭せきたんをもやした時に出る、とっても細かいはい]なども加えているんだよ。
 
 

5.出荷しゅっか

  できあがったセメントは専用せんようの船やトラックなどで「サービスステーション」というセメントをたくわえる貯蔵基地ちょぞうきちはこぶんだ。そこからトラックなどで、工事現場こうじげんばや生コンクリート工場ヘ運ばれてコンクリートとなって、ビルやダムやはしなどになるんだよ。  
 
 
  セメントがいろいろな道をたどって、大切に作られていることがよくわかったよ!