循環型社会構築に向けた取り組み

水俣条約への対応について

 セメント業界の水俣条約への対応について

 2016年9月26日に、環境省より「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令」等が公表されました*1。それによるとセメントクリンカー製造施設に対する水銀の排出基準値は、新規施設で50μg/Nm3、既存施設で80μg/Nm3と設定されました(既存施設については、石灰石中の水銀含有量が0.05mg/kg以上である場合、140μg/Nm3が適用できることが別途規定されております)。

 また、2016年6月に環境省・中央環境審議会より公表されました「水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について(一次答申)」*2では、セメントクリンカー製造施設において、新規施設に対するBATは、「BAT/BEPガイダンスにおいて水銀の排出抑制対策に有効とされる複数の技術」が、一方、既存施設に対するBATは、「水銀含有量が少ない原料・燃料等を選択すること」が想定されております。

 そこで、セメント協会としては、会員会社の既存施設に対して今後、設定される排出基準値を遵守するために、下記のお願い文書を2016年10月に発信したところです。

 具体的には、天然の原料に関しましては、会員会社が自主的に調査を実施することが可能ですが、現在受け入れを行っている多種多様な廃棄物につきましては、セメント会社だけで把握することが困難なことが予想されます。そこで弊会としては、この度、会員会社にセメント製造用に廃棄物を受け入れる際に、水銀が含有していると思われる廃棄物に対し、必要に応じて排出事業者様にご提出いただく廃棄物データシートに水銀に関する情報のご提供をお願いすることで混入される水銀量の把握に努めるよう記載しております。

 セメント業界としては、今後も循環型社会への貢献に対する姿勢を変えるものではなく、法令遵守の一環として実施するものです。
排出事業者様におかれましては、当業界が置かれております状況に対しまして、ご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。




*1「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について
http://www.env.go.jp/press/103006.html

*2「水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について(一次答申)」及び意見募集(パブリックコメント)の結果について
http://www.env.go.jp/press/102627.html