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FHWA-PL-07-027
Long-Life Concrete Pavements in Europe and Canada
August 2007

報告書の原文

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本頁は、米国連邦道路管理局の報告書FHWA-PL-07-027 「Long-Life Concrete  Pavements in Europe and Canada」をセメント協会舗装技術専門委員会が和訳したものです。原文は、FHWAのホームページで公表されています。

第4章 「 コンクリート舗装の施工 」

カナダ

オンタリオ州は1995年頃に、工法により仕様を定める方法から、性能により仕様を定める方法へ切り替えた。これは、長期保証(例えば、20年)への移行として想定されたが、金融業界のサポートはなかった。MTOは、建設後7年間の同省が特定の条件のレベル(例えば、MTOのPCI(0-100)が79以上)を保証するために請負業者に依頼したパフォーマンスベースの保証契約で実験している。これまでのところ、このタイプの建設保証は、低交通量のアスファルト舗装はなく、コンクリート舗装に対してのみ与えられている。

コンクリート舗装のためのMTOの受け入れは、コアによる圧縮強度、版厚、表面粗さに関する多くの測定値の平均と標準偏差を基本とする。請負業者は、その項目を組み合わせた5%以内のボーナスか、20%以内のペナルティを受けることになる。請負業者は、全体的な割合が限度内であるにもかかわらず、任意の個々の圧縮強さ又は厚さが指定された値の60%未満である場合や、平たん性の個々の値(サブロット)が所定値より大きい場合、サブロット部分を修復することを要求される。コンクリート舗装では0.4in(10mm)、コンクリート路盤では0.6in(15mm)を超える突起(スカラップ)は、ダイヤモンドグライディングによって修復しなければならない。請負業者は、毎年所有者によって承認されるコンピュータ化されたカリフォルニアプロファイラグラフを使用する。

オンタリオ州では、ステンレス鋼と黒鋼の普及により、エポキシ樹脂塗装されたダウエルバーの使用が減少している。コンクリート舗装の目地は、0.4in幅(10 mm幅)の目地溝にゴム入り熱注入シーラントを用いて密封される。タイングルービングは、0.75in(19 mm)の均一な間隔で横方向に行われる。縦タイングルービング試験は、2006年に401号線で施工された。

オンタリオ州では、1990年代以降、ダウエルバーインサータの使用を許可されたが、まだバスケットとインサータの両方が許可されている。インサータがより頻繁に使用されている。2006年に、MTOはいくつかのトライアル契約で、ダウエルバーの配置を評価するために、建設中にMIT-SCAN機器の使用を実施した。通常、舗設した後24時間以内に無作為に実施し、建設工事期間中は毎日行われる。オンタリオ州のコンクリート舗装業者もMIT-SCANの機器を持っており、品質管理のための独自のテストを行う。これらのトライアル契約でのコンクリート舗装のためのMTOの取組みでは、ダウエルバーのアライメントや位置も含んでいる。建設時のMIT-SCANからのデータは、ボーナスまたはペナルティを評価するために使用される。

ケベック州では、コンクリート舗装とともに全幅コンクリートの路肩を舗装し、JPCPの横目地に成型目地材を使用する。目地溝は、縦目地の切削ではない。使用される標準JPCP目地間隔は16ft(5m)である。タイバーとダウエルバーは舗装施工前に設置する。ケベック州では、コンクリート舗装表面のテクスチャーに、ランダムな横タイングルービングを使用するが、可能な低騒音策として、骨材洗い出しとショットピーニングによる表面処理で実験した。

MTQは、1990年代初頭以降、全てのコンクリート舗装プロジェクトにおいて平たん性の仕様を規定している。 PRIは、同じ平たん性の仕様がアスファルト舗装とコンクリート舗装の両方に適用されるように、1998年に国際ラフネス指数(IRI)に置き換えられた。一部の請負業者は、まだ管理目的としてプロファイラグラフを使用している。表面粗さ測定装置の種類を比較した2000の研究に基づいて、ローリングプロファイラは施工管理に最高に適しているとして選択された。MTQの平たん性の仕様は、不十分な平たん性のペナルティを含んでいる。

MTQは、舗装業者と保証が付いた契約、または“性能保証”、要件を締結する。請負業者は、一定期間(1995年から2005年の期間の数件の契約で5から10年)で、道路の性能を保証しなければならない。プロファイラ、滑り抵抗値、わだち掘れ量、そして破損の測定を含む年間性能モニタリングは、車線内で328ft(100 m)管理ロットで行われている。

ドイツ

ドイツにおける2層敷均し工法では、通常スリップフォームペーバーを用いている。既存の古いコンクリート版は破砕され、2層コンクリート版の下層のコンクリートに用いられたり、砕石路盤に用いられる。ただし、耐久性に問題があった版(たとえば、ASR反応や、凍結や融氷剤によって破損が生じている版)から再生した骨材は、コンクリート版に用いてはならない。既存高速道路上のコンクリートによるオ-バ-レイ工事は一般に所定の時間のうちに施工を終了することが必要であり、それが守られなければ、請負者にペナルティが課せられる。コンクリートの練り混ぜには、時間当たり100-300m3の製造能力のバッチプラントか、時間当たり最大300m3の連続プラントが用いられ、一日あたり3000m3のコンクリートが製造される。

1層施工の工事の場合は、ダウエルバーやタイバーは舗設前にバスケットに設置されるが、2層施工では、ダウエルバーやタイバーは下層コンクリート内に振動挿入され、その上に上層コンクリートが敷き均される。これら2層のコンクリートはwet on wetで施工、すなわち打ち重ねして、その2層が完全に付着している必要がある。2層施工は、2台のスリップフォームペーバーを用いるか、1台の大型の2層施工用ペーバーを用いる。

高い滑り抵抗性、良好な平たん性、低騒音となるコンクリート表面性能を得るために、コンクリート表面を仕上げ、平滑仕上げし、そして縦方向に深いバーラップ仕上げを行っている。

しかし、2006年の5月からはドイツの自動車専用道路のコンクリート舗装の標準的粗面仕上げは、骨材露出工法となった。これはそれまでに、オーストリアとベルギーで多年にわたって用いられてきたものであった33)。2層施工の上層コンクリートは4cm厚であり、その骨材の最大寸法は8㎜である。この上層コンクリートの最小セメント量は420kg/m3であり、水セメント比はおよそ0.4、骨材は30%の砂と70%の砕石からなるギャップ粒度である。

この2層施工の骨材露出工法では、2つの施工法がドイツでは用いられてきた、すなわち、一つは液体養生剤と組み合わせた遅延剤を用いるもの、もう一つは、遅延剤を散布してその直後にビニールシートで覆うものである。どちらの技術も、その目的は表面が硬化していない状態のうちに、表面のモルタルをブラッシングして除去し、粗骨材を露出させることにある。

横方向および縦方向目地は、版にひび割れが発生しないようにできるだけ早くまず3mm幅で切削する。横方向目地の場合は、その深さは版の25~30%であり、縦方向の切削は版厚の40~45%である。目地材が充填できるように、目地はさらに幅6~15㎜で、深さ15~35㎜に切削し直す。横方向目地には成型目地材を挿入し、縦方向目地は瀝青目地材で充填する。

品質出来形試験としては、1000m2ごとにコアを採取し、強度と厚さを試験する。また、平たん性とすべり抵抗値も測定される。4mプロファイラーが第一次平たん性試験に用いられる

オーストリア

路盤とアスファルト中間層上面にwet on wetでコンクリート版を2層施工している。コンクリート版の下層は厚さ21cmで、高い摩耗抵抗性は必要ない、新材または再生骨材(最大骨材寸法32mm)を使用している。コンクリート版の上層は厚さ4cmで、高い摩耗抵抗性を有する、最大骨材寸法が8mmから11mmの骨材を含む。図28は、コンクリート版の下層の上で、敷設されている版の上層を示している。図29は、フロントペーバーの後ろに配置する、ダウエルバーとタイバーの挿入機械を示す。


図30 コンクリート舗装の骨材露出工法の表面
FHWA-PL-07-027,p.32

骨材露出工法の表面テクスチャーは、セットリターダーによって作製され、続いて20分以内に養生剤またはプラスチックシーティングが実施される。モルタルは、後でブラッシングマシーンで表面からブラッシュされ、骨材が露出する。図30は、最大骨材寸法8mmを使用して構築された骨材露出工法の表面を示している。

横目地は縦目地の前にカットし、版の敷設後の8から24時間の間に環境条件に応じて実施される。厚さ25cmのコンクリート版を使用したコンクリート舗装の高速道路では、横目地は75mmの深さでカットされ、縦目地は100mmの深さでカットされる。

目地部に浸透する水の排水施設として、フラット排水テープをコンクリート版の下に設置し、図31に示しているように位置は横目地に一致して、外側の走行車線の真ん中から緊急車線の端まである。図32は敷設前に配置した排水テープを示す。

1996年以降、オーストリアはラウンドアバウトをコンクリート舗装で施工し、特に東部で実施した。約40%のコンクリート舗装のランドアバウトは、オーストラリアの舗装カタログの中で最も重交通を考慮して設計された(Sクラスは高速道路と同等レベル)。高速道路とラウンドアバウトとの重要な違いは、目地の詳細にある。理由は、重交通はしばしばラウンドアバウトのレーンを横切るため、タイバーの代わりにダウエルが縦目地に使用される。自由縁部のある版は長さと幅が1:1の割合でなくてはならず、そして自由縁部は3cmの厚さである。ラウンドアバウト用のコンクリートはまず、手作業で施工されているが、最近では、いくつかのラウンドアバウトで小型のスリップフォームペーバーを使用している。コンクリートによるラウンドアバウトの供用性を長期間にわたり良好なものとするには、計画の準備段階から施工段階において、目地の設計と配置に注意することがとくに重要である。

ベルギー

ベルギーの高速道路におけるコンクリート舗装は、CRCPが主流であるが、JPCPも適用する。ダウエルバーは、直径25mm、長さ60cmで、横断目地部に30cm間隔で設置される。ダウエルバーは、エポキシもしくは瀝青材でコーティングされている。タイバーは鉄筋で、コーティングはされておらず、直径16mm、長さ80cmで、縦断目地に沿って75cm間隔で設置される。黒鋼(ブラックスチール:酸化鉄でコーティング)がCRCPで使用される。CRCPの横断鉄筋は60度斜角で設置させる。JPCPにおいては、施工者が目地材の種類を選択できる。通常は、加熱シーラントを横断目地に施し、弾性ゴム系シールが縦断目地に適用される。

政府は施工中に全ての試験をするのが一般的である。しかし、巨大プロジェクトでは、品質保証/品質コントロール(QA/QC)が適用される。今日では、厚さ、圧縮強さ、平たん性、すべり抵抗性についての評価も、契約に含まれる。3年間の保証期間が施工者に課される。


図33 1970年頃のベルギーでのスリップフォーム施工
FHWA-PL-07-027,p.34

1970年にベルギーで初めてスリップフォームペーバーが導入された。図33は、ベルギー初のスリップフォーム工法で、VosselaarとTurnhout間のE34号線の施工状況である。この舗装は、35年後の現在でも供用中である。交通量は、40,000台/日で、その内の12%がトラックである。

現在まででベルギーにおける特筆すべきコンクリート舗装プロジェクトは、ヨーロッパの高速道路で屈指の重交通道路である、Antwerp環状道路の打ち替え工事である。この環状道路は、長さ14kmで、片側に4~7車線ある。六つの高速道路が合流し、最大交通量は200,000台/日で、その内の25%がトラックである。


図34 ベルギーでのCRCPを用いたラウンドアバウトの施工
FHWA-PL-07-027,p.34



図35 1996年ベルギーでの低音舗装の現地試験
FHWA-PL-07-027,p.34



図36 骨材露出工法における骨材最大粒径が騒音レベルに及ぼす影響
FHWA-PL-07-027,p.34

新しい舗装の構成は、23cm厚のCRCスラブ、5cmのAs中間層、25cmの再生アスファルト粒状材を用いたセメント安定処理路盤、15cmのリーンコンクリート路盤である。CRCスラブの表面には、骨材露出工法が施されている。ライフサイクルコスト、騒音、リサイクル性、快適性、安全性、その他の要因を勘案して、CRCPが選択された。

Antwerp環状道路の打ち替え工事は、コストが136百万ドル(約136億円)で施工期間が短かった。外回り線は、2004年11月からの5ヶ月間、内回り線は2005年4月からの5ヶ月間で打ち替え工事が行われた。A+B入札方式(注)が採用され、工期を守るために、24時間体制で工事が進められた。 (注)A+B入札方式とは、コストと工期の両者を考慮した入札方式。

1995年からベルギーでは、50箇所以上のインターセクションのラウンドアバウトにCRCPを採用している(図34)。これらは、スリップフォーム工法もしくは、サイドフォーム工法と振動ビームでの表面仕上げによって、施工される。

1970年代にベルギーで初めて、骨材露出工法の実験が実施された。1996年に行われた表面騒音低減効果の実地試験後(図35)、配合などの技術的な改良が行われた。CRCP層上に6種類の異なる表面が構築された。それらは、アスファルト、ポーラスアスファルト、ポーラスコンクリート、細骨材露出工法などである。施工直後および3年後に、騒音測定が行われた。初期段階では、ポーラス系が最小の騒音レベルであった。しかし、3年後には、骨材露出工法が最小の騒音レベルになった。

別の試験施工では、2003年に2層式CRC舗装において、4種類のテストセクションが構築された。これらは、下層厚、上層厚、上層の最大骨材寸法の組み合わせを比較することを目的とした。騒音レベルに関する最大骨材寸法の影響を図36に示す。

骨材露出工法は、ベルギーの重交通道路に適用されている。高速道路では、凝結遅延剤を散布した後に、24時間のシート養生を行い、その後テクスチャーを入れるために取り除かれる。JPCPの横断目地は、シートも一緒に目地カッターを入れる。高速道路以外の施工では、凝結遅延剤を散布した後に、シート養生の代わりに養生剤が散布される。

ベルギーでは、スリップフォームの基準高さ・方向の調整をレーザー方式で行うことが望まれている。特に24時間施工では、夜間に作業員がワイヤーに足を引っかけて、転倒する危険性があるため、レーザー方式のセンサラインが有効である。

オランダ

CRCP工事におけるオランダでの実例は主にベルギーを参考に、過去のプロジェクトで得られた成功事例の経験が拠りどころになっている。1991年にA76高速道路で、1993年にA73高速道路で、1998年にA12高速道路で、 そして2004、2005年にA5、A50高速道路で、それぞれCRCPの工区が施工された。A73/A74高速道路における20kmの工区の建設は2006年に開始された。


図37 外側の路肩全幅を緊急車両車線としているオランダの高速道路における目地ありコンクリート舗装
FHWA-PL-07-027,p.35

オランダでは小規模な維持修繕工事は、日中は交通渋滞が生じるため、一般に夜間に実施される。新設工事及び大規模な維持修繕工事は、代替交通路線を確保した上で、高速道路を完全に閉鎖し、日中に実施される。外側の路肩は緊急車両車線として供するために全幅、舗設されている(図37)。

目地有りJPCPの縦目地に配するタイバーは、直径20mm、長さ800mm、そして1.67mピッチである。CRCPで用いる鋼材は表面被覆を施していない。理論およびVENCON2.0設計プログラムでは、コンクリート版厚の深さ方向35から50%の位置に鋼材を配してもよいことになっているが、オランダの標準的な施工では、コンクリート版深さ方向中央に鋼材を配している。25cm厚の版の場合、必要鋼材量の0.7%は、直径16mmの鋼材を120mmピッチで配することで満足する。700mmピッチで配する横方向鋼材(直径12mm)は60°傾けて斜めにする。タイバーは、CRCPの場合、縦施工目地(そり目地)にのみ使用し、縦収縮目地には使用しない。縦施工目地に用いる場合、タイバーは横方向鋼材と同じ直径12mmで、長さ800mm、1mピッチで配する。タイバーは、2層打ちの場合、フレッシュコンクリート内に配し、1層打ちの場合、硬化した後にドリルで穿孔し、グラウトで固定する。目地有りJPCPおよびCRCPに用いるタイバーは、防錆処理として中央三分点の箇所を合成樹脂で被覆する。目地部のシールはオランダでは標準的な施工でない。


図38 オランダのA50高速道路のCRCP工事に適用された「目地なし目地」橋梁接続部
FHWA-PL-07-027,p.35

CRC版における一般的な端部処理として、(路面高さから)深さ1.5mの定着ばりを7m間隔で配する方法が採られる。橋梁への接続箇所でのCRC版の端部は、一般的に15mのアスファルト舗装接続区間を介して、構造体の伸縮継手部と分離される。新しい「目地なし目地」(図38)がオランダのA50高速道路における橋梁への接続箇所でCRCPとの端部処理として試みられた。しかし、この事例はCRCP/橋梁接続箇所の課題に対する高価な対策工法として認識されている。

オランダには交通開放に対して要求される明確な基準がない。一般的に、コンクリート版への立入りは、養生期間24時間内ではいかなる車両および歩行者に対して認められず、歩行者および自転車に対して養生期間24時間で、乗用車およびその他の軽量2軸車両(最大重量1,500kg)に対して養生期間48時間で開放し、他の車両に対しては養生期間7日もしくは、材齢28日における設計基準強度の70%に圧縮強度が達することのいずれか早い期間で開放される。


図39 オランダにおける骨材露出工法試験工区の位置
FHWA-PL-07-027,p.36

最近10年ほどで、オランダの一部の地域では、ポーラスアスファルト表層の代替としてコンクリート舗装表層の骨材を露出させる工法が用いられている。骨材露出工法の騒音レベルはポーラスアスファルト舗装と同等と思われる。骨材の種別および粒度、テクスチャー深さ、凝結遅延方法、舗設方法(1層打ちと2層打ちの比較、および局在化した表面の凹凸を補正するスーパースムーサーの使用)に関して評価するために実大試験(図39)が実施されている。37,38,39)

検討した凝結遅延方法、舗設方法、および配合に関しては、表面の平たん性に明確な影響を及ぼさなかった。初期のすべり抵抗値は、養生剤の種類と相関が認められた。試験に供した骨材は種別によらず、初期すべり抵抗値は同等の結果であった。8mmトップの珪石を用いたものはすべり抵抗特性の耐久性が最も優れていた。小粒径骨材を用いたものは、乗用車およびトラックに対してより好ましい騒音特性を有していた。スーパースムーサーの使用によりテクスチャー深さが低減したが、このことが寄与した表面の平たん性の向上により騒音の観点では有効であることが判明した。

コンクリート舗装によるラウンドアバウトはオランダでは一般化しつつある。目地有りJPCPおよびCRCPによるラウンドアバウトに関する施工のための技術資料が整備されている。版厚設計は、簡便化するために規格化している。施工指針は、目地部詳細および鋼材による補強方法について重点的に記述されている。40)

イギリス

イギリスのCRCPの設計手法に関する最近の報告では、とりわけ、CRCPの下にセメント安定処理路盤を使用したものが見受けられ、その路盤の強度は他国とくらべかなり高い。路盤の強度が高いと、幅の大きい亀裂が路盤に形成されることや、CRCPのひび割れ間隔が増加することが考えられ、それらに伴う局所的なスラブ破壊などのリスクが増加する。CRCPの新しい設計指針は、以前のように特定された条件ではなく、低強度のセメント安定処理路盤など、幅広い設計を許容している。41)